2024/01/30eラーニングの知識

革新的な学習方法!反転授業(反転学習)の可能性を探る

「反転授業(反転学習)」は、従来の授業と180度異なる授業形態で、近年では学校の授業ではもちろん、企業でも効果的な研修を実現できることで注目を集めています。今回は、「反転授業(反転学習)」とはどのような授業形態なのかを解説する他、メリット・デメリット、導入事例もご紹介します。

1.反転授業(反転学習)とは何か?


このセクションでは、反転授業(反転学習)という革新的な教育方法の詳細、伝統的な教育との違い、そして日本における導入事例について解説します。従来の教育スタイルを刷新し、生徒の自主性を促し、教室での対話と個別指導を深めるという、教育の新たな視点を持つことができるでしょう。

反転授業(反転学習)とは

反転授業、または反転学習(フリップド・ラーニング)は、伝統的な教室での講義と宿題の役割を逆転させる教育方法です。この方法は、アーロン・サムズとジョナサン・バーグマンという二人の高校教師によって2000年代半ばに提唱されました。

出典:Flip Your Classroom: Reach Every Student in Every Class Every Day

反転学習の基本的な考え方は、生徒が新しい内容を家でビデオ講義などの形式で学び、教室ではその知識を応用して問題を解決したり、討論したりすることです。これにより、教室内での時間がより対話的で、個別指導に近い形での学習に使われるようになります。

伝統的な教育方法との違いとその可能性

伝統的な教育方法では、教室での講義が中心ですが、反転授業では学習者が主体的に情報を取り入れ、教室ではその知識を活用し深めることに重点が置かれます。

この方法は、生徒が自分のペースで学び、理解を深めるために必要な時間をかけられるという利点があります。また、教師は生徒の理解度をより密接に把握し、個々のニーズに合わせたサポートを提供することができるようになるのです。

日本における反転授業の導入

日本では、例えば東京大学をはじめとする多くの教育機関で反転授業が導入されています。

東京大学のFLIT(反転学習社会連携講座)プロジェクトでは、2014年から2018年にかけて、対面授業とオンライン動画を組み合わせたブレンド型学習を研究・実践し、教育の質の向上に貢献しました。この方式では、学生が授業前にオンラインで講義ビデオを視聴し、授業時間はディスカッションや実践的な活動に使うことで、学習効果を高めたそうです。

出典:東京大学大学院情報学環・反転学習社会連携講座

2.反転授業(反転学習)のメリットとデメリット


反転授業(反転学習)は、多くのメリットをもたらしますが、同時に技術的な障壁や自己管理能力の必要性、といったデメリットも存在します。このセクションを読み進めることで、反転授業の要素を掘り下げ、より理解することが可能となります。

メリット1:自分のペースで学習できる

反転授業の最大のメリットは、学生が自分のペースで学習できる点です。従来の授業形式では同時に同じ進度で進む必要がありましたが、反転授業では事前に配布される動画教材を自分の都合に合わせて何度も見返し、理解を深めることができます。

メリット2:授業時間における講師とのコミュニケーションの向上

授業時間における講師と学生の対話や議論が活発になります。事前に内容を学んできた学生は、より深い疑問や洞察を持ち寄ることができ、講師は個々の学生の理解度に合わせた指導が可能になります。

メリット3:協働学習を促進する

反転授業では、授業時間をグループワークやプロジェクトベースの学習に充てることができます。これにより、協働学習が促進され、学生間のコミュニケーションや協力能力の向上に繋がります。

メリット4:個々の理解度に合わせて学習を進められる

従来の講義スタイルと比較して、学生は動画教材を通じて自分の理解度に応じて学習を進めることができます。授業中はこの理解を深める活動に集中でき、結果として全体の理解度が深まります。

デメリット1:技術的な障壁

オンライン教材へのアクセスには適切な技術とインターネット環境が必要です。すべての学生が同じレベルでアクセスできるとは限らず、この格差が学習の障壁となる可能性があります。

デメリット2:自己管理能力の必要性

反転授業では学生の自己管理能力がより重要になります。事前学習を怠ると授業の理解が難しくなり、学習の効果が半減してしまうリスクがあります。

デメリット3:準備と計画

教員にとって、効果的な反転授業を計画し実施するには時間と労力が必要です。また、授業の進行方法や教材作成には入念な準備が必要となります。

3.反転授業の効果的な応用


企業における反転授業の活用

企業での反転授業は、従業員のスキル向上とエンゲージメントの促進に大きく貢献します。事前にオンライン教材を用いて基本知識を身につけさせ、実際のミーティングやワークショップでは、より実践的な討論や問題解決に集中させることで、学習効果の最大化に繋がります。また、従業員が自身のスキルアップに主体的に取り組むことで、モチベーションの向上も期待できるのです。

大学等の教育機関における反転授業の活用

大学などの教育機関では、反転授業が学生の自律性を高め、深い学びを促します。教員は授業時間を利用して、学生との対話や協働プロジェクトに重点を置くことができ、学生の批判的思考能力や創造性の発展につなげることで、より充実した教育経験を提供することが可能となります。

4.反転授業を導入するためのeラーニングシステムの役割と重要性


オンライン学習の進化

近年、eラーニングシステムは教育の分野で大きな進化を遂げています。これらのシステムは、柔軟かつアクセスしやすい学習環境を整え、時間や場所に縛られずに学習が可能になるなど、教育の質と効率を大幅に向上させます。特に反転授業の文脈では、これらのシステムを事前学習教材の提供に活用することで、学習効果を高めることが可能となります。

eラーニングシステムを活用するメリット

eラーニングシステムを活用する主なメリットは、時間と場所に制限されずに学習が可能となることです。また、ビデオ、クイズ、インタラクティブな教材など多様な教育コンテンツを用意し、個々の学習者のニーズに合わせたカスタマイズを行えます。反転授業の事前学習教材としても幅広く提供が可能となり、学習者のモチベーションを向上させることも期待できます。

eラーニングシステムを活用した反転授業の事例


東京慈恵会医科大学におけるeラーニングシステム「Moodle(ムードル)」の導入と活用についてご紹介します。

コロナ禍以前からMoodleを用いて医学と看護の教育を行っていた同大学では、オンライン化された授業や研修を通じて、教育の質の向上に努めています。

特に、事前にオンラインで教材を学び、授業時間はディスカッションや演習に充てる反転授業のアプローチを用いることで、学生の自主性を促進し、実践的なスキルを身につける機会が増えているそうです。また、eラーニングシステム「Moodle」の利用がこの教育手法の実施を支えています。事例の詳細を知りたい方は下記のページをご覧ください。

【Moodle導入事例・前編】東京慈恵会医科大学様「日本医学の最先端大学が実施するeラーニングと教育の融合とは?」

【Moodle導入事例・後編】東京慈恵会医科大学様「講義内容の向上を感じさせるeラーニングの使い方とは?」

まとめ:反転授業を教育に組み込むためのeラーニングシステムを検討しよう


IO Moodle イオムードル

この記事では、反転授業の概念、メリット、デメリット、そして効果的な応用について説明してきました。反転授業は、学習者の自律性を高め、学習効果を最大化するための強力なアプローチであり、教育機関だけでなく企業においても有効です。

反転授業の成功の鍵は、効率的でアクセスしやすい学習環境を整えるeラーニングシステムの導入にあります。このシステムによって、学習者は自分のペースで学習し、より深い理解と知識の定着を図ることが可能になります。また、教員や講師は、学習者のニーズに応じた教材の提供や、学習進捗のモニタリングが可能となり、より個別化された指導を行うことができるようになるのです。

反転授業を教育に組み込むに当たっては、イオマガジンの「IO Moodle」が役立ちます。

イオマガジンは、2001年にリリースされたeラーニングプラットフォーム「Moodle(ムードル)」の正式パートナーとしてサーバー構築からカスタマイズ、運用までを一気通貫で提供しています。

eラーニングの導入に必要とされる動画制御機能、自動催促メール機能、学習進捗の一括表示などの機能を網羅した「IO Moodle」は、多くの企業様への導入実績があり、さらに充実したサポート体制、ISO27001認証を取得したセキュリティ対策はご好評を頂いております。

「IO Moodle無料体験版」での比較検討も可能ですので、本記事を読んでeラーニングプラットフォームの導入に向けて動き出したい企業様、専門的な知識がわからず悩んでいる方でも、まずはお気軽にご相談ください。

今日のビジネス環境において、人的資本の育成と企業競争力の強化を図るための不可欠なツールとして、eラーニングプラットフォーム「IO Moodle」の導入を積極的に検討してみましょう。

価格以上の使いやすさを追求したeラーニングシステム IO Moodle イオムードル

■「Moodle(ムードル)」とは?

eラーニングプラットフォーム「Moodle(ムードル)」は、現在、世界で4.0億人が利用しているeラーニングシステムです。レスポンシブデザイン採用のため、PCやタブレット、スマホなど、デバイスを選ばずに使えるマルチプラットフォーム型になっています。無償で配布されるアプリ(iPhone、アンドロイド)をご利用いただければ、通信環境がないところでも学習可能です。
配信コンテンツは、テキスト・PDF・動画・HTML5・SCORMなどにも対応。テストも、○×式・4択式・記述式・穴埋め式など、多彩な形式に対応しています。
大学や病院、大企業を中心に日本での導入実績も多く、使いやすいと評判のオンライン学習システムです。

■「Moodle(ムードル)日本語マニュアル(対象バージョン:4.1)」の無料提供中!

「Moodle(ムードル)」には正式な日本語マニュアルが存在しません。そのため、「この機能はどのように使うの?」というちょっとした疑問を解決するのも大変です。そこで、イオマガジンでは日本語のオリジナルマニュアルを作成しました。基本的な機能から応用編の便利機能まで、画像付きでわかりやすく解説しているので、この一冊があれば、スムーズに「Moodle(ムードル)」を使いこなすことが可能です。
※尚、当マニュアルは普段お使いのgmailをお知らせいただき、オンライン版でご利用いただく形です。お申込み時にご入力いただいたメールアドレスを利用し共有いたしますので、ご留意ください。

■イオマガジンとは?

イオマガジンは、スタンダード市場上場の「城南進学研究社」のグループ会社であり、また「Moodle(ムードル)」の正式パートナーです。日本の大学や病院、企業さまに対し、「Moodle(ムードル)」の構築・運用・カスタムなどをサポートしています。「何度でもチャレンジできるセカイを」をモットーにしながら、人生100年時代の大人の学び(リカレント教育)をサポートしています。

▼Moodleに関するお問い合わせはこちらから

■本リリースに関するお問合せ■
株式会社イオマガジン:沖田、成家

hp: https://www.io-maga.com
e-mail: sales@io-maga.com
TEL: 03-6384-5740