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2024/01/24eラーニングの知識
eポートフォリオとは? メリットや廃止と報道された理由、作り方、導入事例などを解説!
世間ではeポートフォリオという言葉を選考などで見かけるようになりました。教育機関や会社がeポートフォリオの仕組みを導入すれば、選考や評価、フィードバックなどの業務を効率化できる可能性があります。今回は、eポートフォリオの概要をはじめ、メリットや作り方、導入事例などを解説します。廃止といわれる理由にも触れているので、気になっている方は確認してみてください。
eポートフォリオとは?
eポートフォリオとは、electronic portfolioの略であり、日々の学習や活動記録を電子化した記録集です。電子ポートフォリオやデジタルポートフォリオなどとも呼ばれます。
記録される内容は多種多様であり、レポートやプリント、コメントなどが挙げられます。
進学や就職活動、教育効果の検証などを目的に活用されるのが一般的です。
”狭義の定義:「ポートフォリオを作成するためのソフトウェア,または,ポートフォリオをマネジメントするためのシステム」
森本康彦(2008)「eポートフォリオ」:電子情報通信学会「知識ベース」 © 電子情報通信学会p17 2011”
引用:教育分野におけるeポートフォリオとは(東京学芸大学 森本研究室)
eポートフォリオを有効活用するには、電子的に記録集を作成して管理する仕組みも必要になります。
そのため、eポートフォリオは個人の記録集だけではなく、ポートフォリオを作成するソフトあるいはポートフォリオを管理するシステムを指すケースも多いです。
システムで管理すれば、データの考察・編集・評価などを実施しやすくなり、ポートフォリオの検証サイクルを回せます。組織における学習や教育の質を高めていけるでしょう。
なお、システムを利用する場合には基本的にログインが必要です。本記事ではログイン方法についても後述しているので、気になった方は確認してみてください。
eポートフォリオのメリット
ポートフォリオは、英訳で書類を挟むファイルという意味を持つことから、紙媒体の記録集をさす言葉だといってよいでしょう。一般的なポートフォリオと違ってeポートフォリオは、電子的な記録集ならではのメリットを持ちます。ここではeポートフォリオのメリットをお伝えします。
メリット1.応募書類の提出・選考がスムーズになる
大学・高校受験や企業の採用試験などでは、応募書類の提出・選考のプロセスがあります。
従来の応募書類は紙ベースで提出するのが通常でした。試験や面接を受ける前に書類作成に膨大な時間を要します。
その点、eポートフォリオは学習記録や活動内容などをデータとして管理できます。データであれば、メールに添付したり、Webサイトで公開したりすることが可能です。
応募者は、紙媒体にたくさんの情報を手書きで記入しなくて済むため、スムーズに応募できます。選考する立場としても書類の郵送を待つ時間を減らせるため、素早くデータを受理して選考を進められます。
eポートフォリオの仕組みが社会に浸透していけば、大学・高校受験や企業の採用試験を大幅に効率化できるに違いありません。
メリット2.文章で伝えられない実績も共有できる
紙媒体での応募書類は基本的に手書きで活動記録を記すことになります。
しかし、活動内容や成果をテキストだけで伝えられないケースも少なくありません。
たとえば、絵画や音楽、ダンスなどのように、芸術分野の活動内容はテキストよりも画像や音声、動画などで共有したほうが、個人の力量をリアルに伝えやすいです。
eポートフォリオであれば電子的に記録を蓄積できるので、実績を画像や音声、映像などでスムーズに共有できるようになります。
メリット3.ペーパーレス化を推進できる
eポートフォリオは電子的な記録集なので、ペーパーレス化の推進に役立ちます。
ペーパーレス化には立場を問わずさまざまなメリットがあります。
たとえば応募者の立場では、実績共有のために書類を郵送する必要がなくなり、書類の印刷コストと郵送コストが発生しないため経済的です。
採用担当者の立場では、郵送された書類をファイリングして管理する手間を省けます。書類が不要になったときシュレッダーにかける必要もありません。
組織でペーパーレス化の実施が課題となっている場合は、eポートフォリオの観点からも対策してみるとよいでしょう。
eポートフォリオの廃止理由
世間では、eポートフォリオが廃止されたと報道されており、どういうことなのか気になっている方もいるでしょう。
ここでいうeポートフォリオは、「JAPAN e-Portfolio(ジャパン・イー・ポートフォリオ)」をさしています。
JAPAN e-Portfolioは、大学入学者選抜における主体性などの評価を目的に開発された高大接続ポータルサイトです。
全国の高等学校がポータルサイトにポートフォリオデータを入力し、会員大学がポートフォリオを選抜などに利用する仕組みになっていました。
2017年10月から運用されていましたが、文部科学省において運営許可要件を満たさないと判断され、2020年9月に運用停止となりました。
あくまでeポートフォリオの事業が運用停止になっただけであり、eポートフォリオという概念がなくなったわけではありません。
教育分野以外でも同様の仕組みを応用すれば、スムーズな人材マッチングを実現できるでしょう。
参照:「JAPAN e-Portfolio」について(文部科学省)
eポートフォリオの作り方
eポートフォリオは専門用語のように聞こえるため、作るのが難しいように感じるかもしれません。ただ、近年はIT技術の進歩により、気軽にeポートフォリオを作って活用できる時代となっています。ここでは、eポートフォリオの作り方をいくつかご紹介します。
eポートフォリオ作成ツールを利用する
eポートフォリオ作成ツールとは、その名の通りeポートフォリオを作成できるツールです。
たとえば、画像やテキストをドラッグで好きな位置に配置し、Webサイトの形式で公開できるツールがあります。
広告が表示されないツールを選べば、閲覧者にストレスを与えずに、eポートフォリオを確認してもらえるでしょう。
画像のアップロード枚数を制限した無料プランが提供されるツールもあります。お金をかけず最低限のeポートフォリオを作りたい場合は、無料プランを探してみましょう。
スクールに支援してもらう
eポートフォリオを自力で作成した場合、自己満足で終わってしまうケースも珍しくありません。
転職に活用する場合であれば、企業の採用担当者に評価されなければ、意味がありません。
その点、最近ではスキルの習得とともに転職に役立つeポートフォリオの作成までサポートしてくれるスクールが登場しています。たとえば、オリジナルアプリの制作からサーバーでのリリースまで支援するプログラミングスクールなどがよい例でしょう。
自分だけでeポートフォリオを作る自信がない方はスクールも検討してみてください。
プラットフォームを導入する
個人でeポートフォリオを作成するのではなく、学生・教員など複数の立場で一緒にeポートフォリオを作成・管理する場合は、プラットフォームの導入を検討する必要もあります。
プラットフォームはソフトウェアやハードウェアで構成されたサービスの基盤です。
eポートフォリオに関する分野では、すでにご紹介したJAPAN e-Portfolioをはじめ、さまざまなプラットフォームが登場しています。
プラットフォームを導入すれば、一からソフトウェアやハードウェアの準備をする必要がなく、スムーズにeポートフォリオを作成して活用できる環境を整えられます。
eポートフォリオプラットフォームの導入事例
eポートフォリオプラットフォームの利用を検討しているけれど、導入イメージが明確にならない担当者の方もいるでしょう。
ここではeポートフォリオプラットフォームの導入事例についてご紹介します。
株式会社浜学園
株式会社浜学園は、SNS型eポートフォリオ「Feelnote」を株式会社サマデイから事業譲受しました。
Feelnoteは、利用者が学びや活動を通して獲得した発見や成長を記録して、マイストーリーとしてまとめられるeポートフォリオのプラットフォームです。
利用者の活動記録をAIで分析して個性を可視化する機能まで搭載されています。
今後は、サマデイ社運営の世界標準大学入試システムと連携して、利用者の興味・関心に適した進路情報のマッチングを進めていくようです。
参照:進学教室浜学園、SNS型eポートフォリオ「Feelnote」をサマデイ社より事業譲受(浜学園グループ)
eポートフォリオの管理に役立つおすすめのプラットフォーム
eポートフォリオの管理に役立つ連携可能なプラットフォームとしてeラーニングプラットフォームも挙げられます。
eラーニングプラットフォームは、さまざまな分野に関する学習コンテンツを搭載し、受講者の学習記録をeポートフォリオとしてまとめて管理できるサービスです。
たとえば、eラーニングプラットフォームのMoodle(ムードル)というサービスがあります。
Moodleの概要
Moodleは、ユーザー登録やコンテンツ配信、学習の進捗管理、テスト、チャットなどの機能を搭載したeラーニングプラットフォームです。
東京慈恵会医科大学や神奈川工科大学、福岡ゼミナールなど、会社や教育機関を含む幅広い団体が導入しており、世界では3億人以上が利用しています。
Moodleは、受講者の学習進捗状況を各コースで確認することが可能です。オンライン学習だけでなく集合学習の出欠席も一緒に管理できます。
レポート課題にも対応しており、課題の出題・提出・評価などをシステム内で行うことも可能です。
Moodleで学習記録や課題評価などを電子的に管理しておけば、組織内における人材の登用や評価、推薦などで、蓄積データをeポートフォリオとして補助的に活用できるでしょう。
なお、Moodleにはeポートフォリオ機能が搭載されているわけではありません。Moodleでの課題や学習履歴は、ほかのeポートフォリオと連動させ、データを蓄積して視覚化・管理する必要があります。
Moodleとほかのeポートフォリオを連動させて就活支援力を向上させた事例もあります。事例の詳細を知りたい方は下記のページをご覧ください。
Moodle(ムードル)活用事例Vol.3|DX時代の学生サポートを目指す大学様「eポートフォリオとMoodleの連動は、就活支援力向上・作業効率UP・低コストの一石三鳥!導入して大正解」
eポートフォリオに関するプラットフォームの導入はイオマガジンに相談!
eポートフォリオは、活動成果をまとめた電子的な記録集・作品集などを意味する言葉です。
大学受験システムの効率化で話題となった言葉ですが、近年は就職活動もWebで実績を提示する場面が多くなり、教育機関だけでなく企業もeポートフォリオを作成・管理できる体制を構築しておくのが望ましいでしょう。
eポートフォリオの作成・管理を行う方法としては、必要なソフトウェアやハードウェアがあらかじめ搭載されているプラットフォームの利用が、スムーズに導入できて便利です。
今回紹介したMoodleのようなeラーニングプラットフォームは、学習記録や課題評価などをほかのeポートフォリオと連携してデータを蓄積・視覚化できます。
イオマガジンは、Moodleの公式パートナーとしてプラットフォームの導入を支援しているほか、eポートフォリオのスクラッチ開発にも対応しています。eポートフォリオの作成・管理に悩んでいる教育機関・企業の担当者様は、ぜひ一度イオマガジンまでご相談ください。
■「Moodle(ムードル)」とは?
https://www.io-maga.com/service/
eラーニングプラットフォーム「Moodle(ムードル)」は、現在、世界で4.0億人が利用しているeラーニングシステムです。レスポンシブデザイン採用のため、PCやタブレット、スマホなど、デバイスを選ばずに使えるマルチプラットフォーム型になっています。無償で配布されるアプリ(iPhone、アンドロイド)をご利用いただければ、通信環境がないところでも学習可能です。
配信コンテンツは、テキスト・PDF・動画・HTML5・SCORMなどにも対応。テストも、○×式・4択式・記述式・穴埋め式など、多彩な形式に対応しています。
大学や病院、大企業を中心に日本での導入実績も多く、使いやすいと評判のオンライン学習システムです。
■「Moodle(ムードル)日本語マニュアル(対象バージョン:4.1)」の無料提供中!
https://www.io-maga.com/administrator_manual_application/
「Moodle(ムードル)」には正式な日本語マニュアルが存在しません。そのため、「この機能はどのように使うの?」というちょっとした疑問を解決するのも大変です。そこで、イオマガジンでは日本語のオリジナルマニュアルを作成しました。基本的な機能から応用編の便利機能まで、画像付きでわかりやすく解説しているので、この一冊があれば、スムーズに「Moodle(ムードル)」を使いこなすことが可能です。
※尚、当マニュアルは普段お使いのgmailをお知らせいただき、オンライン版でご利用いただく形です。お申込み時にご入力いただいたメールアドレスを利用し共有いたしますので、ご留意ください。
■イオマガジンとは?
https://www.io-maga.com/company/
イオマガジンは、スタンダード市場上場の「城南進学研究社」のグループ会社であり、また「Moodle(ムードル)」の正式パートナーです。日本の大学や病院、企業さまに対し、「Moodle(ムードル)」の構築・運用・カスタムなどをサポートしています。「何度でもチャレンジできるセカイを」をモットーにしながら、人生100年時代の大人の学び(リカレント教育)をサポートしています。
▼Moodleに関するお問い合わせはこちらから
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