2024/01/17eラーニングの知識

eラーニング用動画教材の作成方法|録画、編集アプリ、パワーポイントなど種類ごとに解説

eラーニング用に動画教材を作成する方法について、種類や手順、eラーニングで配信する方法、効果的なポイントなどを詳しく解説します。動画教材を作成する際の運用方法の参考や、注意点と対処法についても紹介していますので、eラーニング用動画教材を作成する際の参考にしてください。

eラーニング用動画教材を作成する方法の種類


eラーニング用動画教材を作成する方法の種類を、それぞれ「運用方法の参考」や「注意点と対処法」と併せて解説します。

①実施された講義や研修などを録画して作成する方法

まずは、講義や研修などを録画する方法があります。いわゆるオンデマンド配信とも言われる動画を作成する方法です。この作成方法は、動画制作のために、新たに台本や資料などを準備する必要がない点がメリットと言えます。

・運用方法の参考

主に、ビデオカメラやスマホで撮影する方法と、「GoogleMeet」「Microsoft Teams」「Zoom」「Skype」などのオンライン会議ツールの録画機能を活用する方法があります。

・注意点と対処法

講義や研修をそのまま動画教材にするのは、提供者にとっては簡単で便利な方法ですが、受講者にとっては、退屈しやすい点に注意が必要です。さらに、無修正の動画ゆえに無駄な部分がある場合、時間効率が悪いばかりか、集中力が途切れる原因にもなりかねません。

学習効果を高めるためには、オンデマンド配信の講座ばかりにならないように、他の異なる手法で作成した動画もコース内に組み込みましょう。

また、後述する他の作成方法と同様に、著作権や肖像権の侵害に該当していないかを、しっかりとチェックすることも重要です。この作成方法の場合、著作権や肖像権の侵害に該当する部分が少しでもあれば、録画した講義や研修自体が丸ごと利用できなくなる可能性もあります。

②動画編集アプリなどで動画を作成する方法

つぎに、ビデオカメラやスマホで撮影した後「動画編集アプリ」で編集を行い、一から動画を作成する方法があります。この方法では、オリジナル性のある高品質な動画教材を作成することが可能です。しかし「動画編集とは、かなり時間がかかる作業」だということも忘れてはなりません。例えば、約30~40分以上撮影したビデオを、10~15分程度の動画に完成させるためには、最初は約15~20時間の編集時間を確保しておいた方がよいでしょう。

・運用方法の参考

動画編集アプリには、初心者用のシンプルな設計のものから、中級者以上用の高性能のものまで、たくさんの種類があります。

最初から高度な編集ができる多機能な製品を扱うと、長続きできない可能性が高まるため、動画編集の初心者にはシンプルな設計の製品の方がおすすめです。

その観点から、初心者でも使いやすいと言われている代表的な動画編集アプリは、無料版なら「QuickTime Player」「iMovie」「Clipchamp」「AviUtl」、有料版なら「Power Director」「Adobe Premiere Elements」などがあります。

・「QuickTime Player」は、MacOS Sonomaで利用可能です。
・「AviUtl」は、Microsoft社製Windowsが対象です。
・「Clipchamp」「Power Director」「Adobe Premiere Elements」は、どちらでも使うことができます。

・注意点と対処法

基本的な動画編集の工程には、取り込み、並び替え、カットの他、テロップ、画像、BGMや音声などの挿入、修正、変換・保存などがありますが、クオリティの高い作品に仕上げる場合は、それ相応の時間を要します。

③Windows10および11やMacOS Sonomaから録画して作成する方法

WindowsやMacのビデオキャプチャー(PCに表示されている動画データ)を簡易的に録画してeラーニング動画教材を作成する方法をご紹介します。元々PCに入っている機能などを生かすことができるため、コストパフォーマンスのよい方法です。

・運用方法の参考

・Windows10のキャプチャーを録画するには、「Windows(旗マーク)」+「Alt」+「R」を同時に押すと、録画や停止を操作できる小さなアイコンがポップアップ表示されます。音声も録音する場合は、マイクをオンにしておきましょう。

・Windows11のキャプチャーを録画するには、上記Windows10用のショートカットは利用できませんが、「Windows(旗マーク)」+「G」を同時に押して、ゲームバーを起動させる方法で、録画や停止の操作が可能です。

・いずれも録画した動画は、PCのエクスプローラーの「ビデオ」フォルダ内にある「キャプチャー」フォルダに保存されます。

・MacOS Sonomaを使用している場合は、QuickTime Playerアプリの「ファイル」から「新規ムービー収録」を選択すると、収録ボタンや音声コントロールが表示されます。iPhone、iPad、iPod touchで録画した内容も、Macに接続すれば利用が可能です。

・注意点と対処法

Windows10および11、MacOS Sonomaのいずれも、下記の無料アプリで動画編集をすることができます。ただし、基本的且つ簡易的な作成方法であるため、クオリティの高い動画を作成するために、より高度な編集を行いたい場合は、別途、動画編集アプリなどが必要です。

・Windows10もしくは11の場合、「Clipchamp」というビデオエディターを活用する方法があります。下記Microsoft社ホームページの記事を参考にしてください。

【参考】:Microsoft Support.「ビデオ エディターでビデオを作成する」

https://support.microsoft.com/ja-jp/windows/%E3%83%93%E3%83%87%E3%82%AA-%E3%82%A8%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%A7%E3%83%93%E3%83%87%E3%82%AA%E3%82%92%E4%BD%9C%E6%88%90%E3%81%99%E3%82%8B-94e651f8-a5be-ae03-3c50-e49f013d47f6

・MacOS Sonomaの場合、「QuickTime Player」を活用することができます。下記Apple社ホームページの記事を参考にしてください。

【参考】:Apple.「QuickTime Playerユーザガイド」

https://support.apple.com/ja-jp/guide/quicktime-player/welcome/mac

④パワーポイントから作成する方法

eラーニング用動画教材は、パワーポイントから作成する方法もあります。パワーポイントでは、アニメーションや動画、音声などを挿入したスライドの作成が可能です。講義で投影しているパワーポイント資料があれば、ここに音声と編集を加えるだけで簡単に動画教材を作ることができます。

・運用方法の参考

パワーポイントをWeb上にアップロードする際は、動画ファイル形式(代表的な拡張子はMP4など)で保存しますが、eラーニングで活用するためには、そのeラーニングの「LMS(学習管理システム)」※に適合するファイル形式で保存する必要があります。どのeラーニングおよびLMSでも利用できる標準規格「SCORM(スコーム)」※で保存することが一般的です。

※「LMS(学習管理システム)」とは、eラーニングの総合的な管理を行うための基盤となるシステムのことを指します。具体的には、教材や受講者の登録、更新、削除や、テストの採点、成績、学習時間や進捗状況の管理などが可能です。「LMS(学習管理システム)」がなければ、eラーニング運用における殆ど全ての管理業務が困難になるとも言えます。

※「SCORM(スコーム)」とは、eラーニングおよびLMS(学習管理システム)の共通化における国際的な標準規格です。互換性、利便性、安定性などに優れています。例えば、SCORMに対応していないeラーニング教材の場合、異なるeラーニングシステムを採用した際には継続利用ができず、学習コンテンツなどを全て作り直さなければなりません。「SCORM(スコーム)」に対応したLMSを使用している場合は、学習コンテンツ、アンケート、テストなどを、最適に継続利用できます。

・注意点と対処法

パワーポイントで作成したeラーニング用の動画教材を、国際的な標準規格である「SCORM(スコーム)」に対応させるためには、パワーポイントファイルをSCORMへ変換させることが必要です。

パワーポイントファイルをSCORMへ変換する作業を効率化させたい場合は、イオマガジンのようなeラーニング専門業者に依頼することをおすすめします。詳細は、以下の記事をご覧ください。

【参考】:イオマガジン.「eラーニングシステム内でパワーポイントを使いたい」とお困りの方向けに新しい導入支援を開始!eラーニング統一規格「SCORM(スコーム)ファイル」を活用する、目からウロコの支援プランを提供します!

https://www.io-maga.com/2023/11/news20231122/

⑤eラーニング作成のプロ(専門業者)に作成依頼する方法

本記事では、ここまでeラーニング用動画教材を作成する方法として、いくつかの種類をご紹介しましたが、お読みいただいて、どのような感想をお持ちでしょうか。

「時間や手間がかかりそう」「諸事情により、自社(または自校、自院など)で作成するのは難しそう」などの感想をお持ちなら、eラーニング作成のプロ(専門業者)に依頼する方法がおすすめです。外注費用は発生しますが、最も効率的にクオリティの高いeラーニング用動画教材を作成できます。また、自社による作成で起こり得る偏向性や属人化を予防することも可能です。

・運用方法の参考

「Moodle(ムードル)」の正式パートナーであり、eラーニングのプロ集団であるイオマガジンでは、動画制作を担うサービスを行っています。

【参考】:イオマガジン.「eラーニングコンテンツ動画制作をプロにお任せ!2023年春からのオンライン教育導入を検討している法人・教育機関を全面支援!」.2023年2月28日.
https://www.io-maga.com/2023/2/news20230228/

・注意点と対処法

eラーニング作成のプロ(専門業者)に依頼する場合も、動画教材の原稿などは考えておく必要があります。動画教材の依頼内容を検討される際は、本記事の後章も参考にしてみてください。

eラーニング用動画教材を作成するための手順


下記の表は、eラーニング用動画教材を作成する際の代表的な手順になります。

  1. eラーニング用動画教材の目的を決定
  2. コースごとの明確な学習目標を決定
  3. 動画教材の内容を分析・選定
  4. 動画教材の作成方法を決定する
  5. 動画教材の作成

各コースにて、学習ゴールと評価方法を明確に提言できるとよいでしょう。受講者のモチベーションをアップさせ、学習効果を向上させる効果が期待できます。

動画作成の具体的な手順(撮影が必要なケース)

下記の表は、撮影が必要な場合の動画作成の具体例です。

  1. 企画
  2. シナリオ・絵コンテの作成
  3. 出演者や撮影場所、機材などを検討
  4. ロケハン(撮影場所の下調べ・下見)
  5. 出演者や撮影場所、機材などの手配
  6. 撮影やナレーション収録
  7. 編集、圧縮、変換

受講者に覚えてほしい重要事項やポイントは、テロップ(画面上に文字を入れること)が有効です。

聞き取りにくい部分が見つかった際に、撮り直すことが難しい場合は、改めてナレーション解説を入れたり、字幕を挿入したりする方法でも、対処できる可能性があります。

作成した動画教材をeラーニングで配信する方法


作成した動画教材をeラーニングで配信するための一般的且つベストな配信方法は、導入した「LMS(学習管理システム)」にアップロードする方法です。

本記事の初章では、eラーニング用動画教材を作成する方法を数種類ご紹介しましたが、いずれの方法で作成した場合でも、「LMS(学習管理システム)」を活用すれば、簡単に配信することができます。

「IO Moodle(イオムードル)」の場合は、視覚的な操作だけで、配信準備が整います。下記はマニュアルの一部です。視覚的な操作ができるイメージを確認できます。

【参考1】:「IO Moodle(イオムードル)」管理者用マニュアル

https://www.io-maga.com/sample_document/

【参考2】:「IO Moodle(イオムードル)」受講生用マニュアル

https://www.io-maga.com/student_manual/#1

なお、メール配信や、LMSを利用しないインターネット上の動画配信サイトを通して、動画教材を配信する方法も、eラーニングと呼ぶことができますが、あまり一般的な方法ではありません。どちらも情報漏洩などのセキュリティ面が不安視されます。広告が多すぎて学習への注意が散漫になる可能性が高いという声も多いです。

そのような問題点は、「IO Moodle(イオムードル)」を利用すれば解消します。下記のようなメリットを享受することが可能です。

「IO Moodle(イオムードル)」を利用するメリット

「IO Moodle(イオムードル)」の代表的な「LMS(学習管理システム)」機能

・最後まで視聴しないと「視聴完了」とならないため、不正な完了を予防します。
・シークバーを非表示にできるので、早送りやスキップができません。
(一方で、倍速機能や一時停止の保存機能により、好みのスタイルでの学習は可能です。)
・全コースの学習進捗一覧をわかりやすく一括表示できます。
・様々なアクセス解析による分析が可能です。
・強固なセキュリティ対策が施されています。
・決済機能も利用できます。

イオマガジン.「IO Moodle(イオムードル)」

https://www.io-maga.com/service/

効果的な動画教材の作成に必要なポイント


効果的な動画教材を作成するために必要なポイントを説明します。

受講者のニーズを考慮した視聴時間

長すぎるコンテンツは、殆どの受講者の集中力が継続しない傾向にあることから、長くても15~20分程度以内の動画を作成することが好ましいでしょう。

特に近年は、若年層を中心に、スキマ時間にスマートフォンなどで5~10分程度の学習を行う「マイクロラーニング」という学習方法を好む人が増加しているようです。

このような傾向を踏まえて動画教材を作成することが、受講者の学習意欲を高めるために必要です。

更新しやすいシステムを選択

動画教材の種類にもよりますが、利用した学習情報が古くなった時に、新しい動画教材をいつ頃に作り直すか、または修正するかなど、おおまかな更新スケジュールを立てておくと、後で余裕を持って対処することができます。どのような手段で更新するかまで見越して、更新しやすいeラーニングシステムを選択し、動画教材を作成することも大切です。

著作権や肖像権を侵害しない

動画教材を作成する際には、著作権や肖像権を侵害するものが映っていないかを、チェックすることが必要です。権利者の承諾が必要な場合や、引用元を提示しなければならない場合などがあります。

著作権については文化庁による説明と、肖像権においては埼玉県教育委員会による説明をご紹介します。下記を参考にしてみてください。

【参考1】:文化庁.「著作物の正しい利用方法」

https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/gaiyo/riyohoho.html

【参考2】:文化庁.学校教育における著作物利用のルール.「令和5年度改定版学校における教育活動と著作権」

https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/pdf/93869701_01.pdf

【参考3】:埼玉県教育委員会. 令和5年度ネットトラブル注意報(第3号).「知っておきたい「肖像権」のこと」

https://www.pref.saitama.lg.jp/documents/44152/r5_nettrouble03.pdf

テストを実施して理解度を確認する

eラーニング用動画教材を作成したコースごとに、理解度を確認するためのテストを実施することが重要です。インプットに傾倒しがちなeラーニング学習に、テスト、アンケート、フォーラム※などのアウトプットを組み込むことは、様々な学習方法を組み合わせたブレンディッドラーニングにつながる学習効果をもらたらします。また、テストを実施することで、提供した動画教材に、どの程度の学習効果があったかを比較検討することが可能です。

※テスト、アンケート、フォーラムなどは、「IO Moodle(イオムードル)」の機能を例に挙げました。「IO Moodle(イオムードル)」では利用できる機能です。

eラーニング用動画教材を作成するメリット


最後に、eラーニング用動画教材を作成する代表的なメリットを下記にまとめておきます。

・「LMS(学習管理システム)」により一元化した運用管理ができる

・いつでもどこからでもどのようなデバイスからでも受講者に一律の教育を提供可能

・毎回準備をしたり講師を手配したりする手間・時間・コストを減らせる

・テキストのみの学習よりも臨場感があるため、受講者が飽きにくい

・視覚的な情報により、日本語が母国語でない受講者でも理解しやすい

動画教材の制作はイオマガジンにご相談ください


本記事では、eラーニング用動画教材を作成する方法について掘り下げて解説しました。前述した通り、eラーニング用に動画教材を作成することは、たくさんのメリットがあります。

集合研修などに都度必要な時間や手間は削減できる一方、動画教材を作成する際の時間や手間がかかる点がデメリットです。

そのようなデメリットはプロにお任せしてみましょう。イオマガジンでは、豊富な導入支援をご用意しています。どのような相談でも、ぜひお気軽にお問い合わせください。

「IO Moodle(イオムードル)」豊富な導入支援

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「IO Moodle(イオムードル)」eラーニングコンテンツ動画制作をプロにお任せ!

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価格以上の使いやすさを追求したeラーニングシステム IO Moodle イオムードル

■「Moodle(ムードル)」とは?

eラーニングプラットフォーム「Moodle(ムードル)」は、現在、世界で4.0億人が利用しているeラーニングシステムです。レスポンシブデザイン採用のため、PCやタブレット、スマホなど、デバイスを選ばずに使えるマルチプラットフォーム型になっています。無償で配布されるアプリ(iPhone、アンドロイド)をご利用いただければ、通信環境がないところでも学習可能です。
配信コンテンツは、テキスト・PDF・動画・HTML5・SCORMなどにも対応。テストも、○×式・4択式・記述式・穴埋め式など、多彩な形式に対応しています。
大学や病院、大企業を中心に日本での導入実績も多く、使いやすいと評判のオンライン学習システムです。

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「Moodle(ムードル)」には正式な日本語マニュアルが存在しません。そのため、「この機能はどのように使うの?」というちょっとした疑問を解決するのも大変です。そこで、イオマガジンでは日本語のオリジナルマニュアルを作成しました。基本的な機能から応用編の便利機能まで、画像付きでわかりやすく解説しているので、この一冊があれば、スムーズに「Moodle(ムードル)」を使いこなすことが可能です。
※尚、当マニュアルは普段お使いのgmailをお知らせいただき、オンライン版でご利用いただく形です。お申込み時にご入力いただいたメールアドレスを利用し共有いたしますので、ご留意ください。

■イオマガジンとは?

イオマガジンは、スタンダード市場上場の「城南進学研究社」のグループ会社であり、また「Moodle(ムードル)」の正式パートナーです。日本の大学や病院、企業さまに対し、「Moodle(ムードル)」の構築・運用・カスタムなどをサポートしています。「何度でもチャレンジできるセカイを」をモットーにしながら、人生100年時代の大人の学び(リカレント教育)をサポートしています。

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